木製の看板は錆びない…。
何人もの人間の返り血を
浴びた看板…。
繰り返し…繰り返し…。
刑は執行されていた…。
俺はこの看板をみながら死んで逝った人達の心の中は…心情は…。
考えても考えきれなかった…。
ふざけ半分でトンネルに入った事を悔やんでいた…。
俺は知らないフリをしていたが…じいちゃんが斬首執行人だった事を…誰にも言えなかった…。
俺は恐怖をあおっていた看板を外に持ち出し火葬した…。
手を合わせながら…成仏してもらいたいと心から祈った…。
浮かばれない魂は…解放され生まれ変わる事を切に願い…。
ん?
今、後に誰がいたような…
気のせいかな…。
きっと…ありがとうって事かな…。
でも、違ったようだ…。
なぜなら…。
俺は切り離された自分の首から下を…。
目の前で見ていた…。