奈央と出会えたから。<363>

麻呂  2009-05-21投稿
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ユカってば、凄い。


森宮の父親は、教育委員会の教育長。



その父親を目の前にして、森宮にビンタするなんて。



あたしは、



自分の過去のコトを話すだけで精一杯だったのに。



ユカの強さには驚いた。



そして、



それと同時に、言葉では、うまく表現出来ないケド、



なんか、



誇らしい気分になった。



――と、そのトキ――



ガラッッ―ー‐



『秋田谷と北岡は、いるか?!』



突然、保健室のドアを開けて入って来たのは、渋川だった。


『あ?!俺の処分の話なら、後で職員室で聞くゼ?!』



聖人が渋川を睨み付けると、



真っ赤な顔をした渋川が、物凄い剣幕でまくし立てた。



『ばっ、バカモノ!!

北岡と木下の次は、秋田谷までが‥‥。
一体うちのクラスは、どうなっているんだ???

森宮氏は、かなり御立腹だぞ!!

今日の所は、黙ってお引き取り頂いたが、

それには‥‥北岡、
お前の処分を、かなり厳しいモノにするコトを条件とされた。



そして、秋田谷。

森宮氏は、お前が森宮氏の御子息について言った事は、

全て事実無根であるとおっしゃっていた。

校長は、PTA会長である、お前の父親にも、

今日の事を報告すると言う事だ。


ま、校長が報告しなくても、

森宮氏の方から、お前の父親に連絡をするだろうがな。』



渋川が一方的にまくし立てている間中、


聖人は、ずっと渋川を睨み付けていて、


ユカも、そんな渋川のコトを、



さげすんだ目付きで、じっと見つめていた。





あたし達は――



こんな状況に追い込まれても――



どうするコトも出来ないの?!――



ただ――



正しいと思うコトを――



貫き通すコトが――


なぜ――



こんなに難しいのだろう――



正しいコトが正しくなくて――



正しくないコトでも正しいと認める――


それが出来なければ――



大人になれないの?!――



それならあたしは――



ずっと――



大人になんかなりたくない――



そんな――



汚い大人になんか――



なりたくないよ――



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