一枚葉っぱ4

オキシコンチン  2009-05-21投稿
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夜が更けて、今日の興奮がやっと収まり始めると、疑問が生まれた。
“何で彼は私の部屋にいたんだろう?”
“彼は何の犯人なんだ?”
想像は変な妄想へと変化し、結局、何も答えは出なかった。
ただ、何の刺激もない憂鬱な入院生活に訪れた、この変てこりんな出来事は、不思議な興奮と楽しさが後をひいた。

二.

あの出来事から数週間が経ったと思うある日、昼食を済ませた私は病院の中庭に散歩に出た。
中庭には、他に入院している人達、車椅子姿の女の子や、高齢のおじさん&おばさん、皆、退屈しのぎに色々と話をしている…
はずなのに、今日は何かいつもと光景が違って見える!
いつもなら、まんべんなく人が敷地内に散らばっているのに、今日は中庭の中心だけポッカリと穴が空いたように誰もいない。
そして皆、その周りを避けるように端の方に座り、腫れ物に触るように視線を送っている。
その誰もいない“腫れ物”から、一筋の煙が上へ向かって棚引いている…
“ここ、病院だよね?”
自問自答してしまった。
タバコの臭いがする煙の元は、ベンチに座っているが背中を向けているし、植え込みの木が丁度同じ高さでよく見えない。
ただ、頭頂部の光り具合には見覚えがあった。



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