山田は卓也の家に到着すると息を切らしてドアをノックした。
すると卓也の母親が出てきた。
「どうしたんですか、先生?」
「ちょっとお邪魔しますよ、お母さん。」
山田は靴を脱ぎ階段をかけ上がった。
「おい吉田!」
山田が扉を開けたら麻美と卓也が二人並んでベッドに座っていた。
「お、お前ら‥」
「えっ、何?」
と動揺する卓也。
「何しに来たんだよ?」
と睨み付ける麻美。
二人の様子を見た山田は部屋に入って、
「やっぱりそうか。何かのきっかけで入れ替わったんだな、お前ら。」
二人は下を向いて静かに頷いた。意外にあっさりしていた。
そこに卓也の母親がお茶を持ってきた。
でも化粧をしていなかったせいか、お茶を出したらすぐに出ていった。
母親が下に降りると、
「ふぅ、どうしてわかったんだよ?」
と麻美になった卓也は山田に尋ねた。
「これだよ。」
山田は持ってきたテスト用紙を見せた。
「吉田、いつもと違うな‥これ。」
麻美になった卓也は卓也を見た。
明らかに卓也の筆跡と違っていた。
「先生、バレバレじゃないか‥もう。」
そう言われ、卓也になった麻美はへこんでいた。
そこに電話が鳴った。
麻美が電話に出ると、卓也に夜食の弁当を頼む母親の声。
「先生、ちょっとお使いだってさ。」
「なんで?」
「知らないよ。今日はお母さんは婦人会の飲み会だから‥いつもその日は弁当なんだ。
たぶん先生も来てるから二人分買うけど。」
卓也になった麻美はしぶしぶ卓也の母親からお金をもらって、弁当を買いに出かけた。
「おい、やっぱりお前卓也だったんだ?」
「あぁ、そうだよ。」
完全に開き直った卓也は先生と向かいあって座った。
「へへっ、まさかだと思ったけど吉田、しばらくこのままいろよ。」
「何言ってるんだよ。」
「なぁ吉田、昨日は楽しかったぜ。もう一回やらせろ、お前でいいからさ。」
「えっ、嫌だよ。」
「そう言っても昨日よりエロい格好してるじゃねぇか。」
麻美は胸元の開いたブラウスにミニスカートを穿いていた。
「今日、お前何してたんだよ?」
と、山田は麻美の隣に座って肩を抱いた。