「久しぶりだねぇ、元気そうでなによりだ。死んでたらまた説教だったよ。私はちゃんと生け捕りにしろと言ったんだがね」 フラーはいつもの静かな口調で言った。 「いや……殺すつもりは…」 リッパーは言葉をつまらせた。 「ん〜、目を見れば分かるよ。君は殺す気だったね。」 そういうといつも無表情のフラーはリッパーにニコッと微笑んだ。 それを見たリッパーはひどくおびえた様子だった。 「あんた…何で俺達を追うんだ!」 レックスは叫んだ。 「君に言う必要は無い。早く任務を終わらせたいんだ。そろそろいいかい?」 そういうとフラーはゆっくりと剣を抜いた。 3人はまた武器を構える。 「私はここを動かない。動くと疲れるからね。」 フラーは無表情で言った。 3人は走り出しリッパーを攻撃したときのように同時に攻撃をしかける。 金属がぶつかりあう音がした。 フラーはたった一振りで3人の武器を弾き返した。 「あぁ、剣を使う必要は無いようだ。」 フラーはそういうと剣を鞘におさめ、目をつぶった。 「…何だこいつ…」 ハウィーがつぶやいたそのとき急に体が熱くなった。 「…レックス!ハウィー!離れて!」 レイが叫んだ。 レックスとハウィーは急いで後退した。と同時に地面に真っ赤な炎が降り注ぐ。 「火…!?もしかして魔法を…!?」 レックスは驚いた。 「魔法!?地上の人間は魔法を使えるのか!?」 ハウィーもレックスと同じように驚いた。 「魔法を使える人間はいるけど…使える人間はほとんどいない…まさか魔法が使えるなんて…」 いつもクールなレイも動揺していた。 「そうか、魔法を見るのは初めてか。じゃあもっと見せてあげるよ。」 フラーは不気味な笑みをうかべ魔法を唱えた。 次々と炎が襲いかかってくる。3人はなんとかよけているがすでに体力は限界にきていた。