しばらくないな…この
緊張感…この高揚感…
全身の血が冷めていく
感覚…脈打つ音が
クリアに聞こえる。
真は武器の形状を
不確定のままにし、
オーディンの懐に
踏み込む。
「ふむ…オーディンを
先に狙いますか…
ですが、私とて空気では
ありませんよ?」
真は上体を後ろに
反らすと空を切るような
音と共に、上体が元々
あった位置に次々と
刃物が跳んでくる。
(援護か…厄介だな。)
さらにバク転をして
後退すると、オーディン
の突きが地面に刺さって
いた。
(素手だと?手加減の
つもりか…)
体制を整える暇もなく、
別の刃物が真の横顔を
かする。
「これで反応するとは…
面白い。」
その刃物の柄を掴み、
真はオーディンに
切り掛かる。
「あくまで、
私を無視するつもり
でしょうか?」
また、男は刃物を
構え、投げようとする。
「アーサー、
薙ぎ払って!」
エクスカリバーを構えた
アーサーが男に
切り掛かる。
「エクスカリバー…
厄介ですね。
オーディン、グングニル
を貸してください。」
オーディンが男に
向かって、槍を投げる。
その投げた槍で
真の魔器がぶれて、
オーディンにダメージが
あたえられなかった。
男はグングニルと
呼ばれた槍を構え、
司とアーサーに
襲い掛かった。
その槍の描く軌道は
空を乱し、風を起こし、
障壁を纏うようだった。
「間宮さん、その男は
僕が相手をします。
その間、オーディンを
お願いします!」
司は頷き、オーディン
に向かって行った。
そして、真は魔器を
ガントレットへと
形を変えて、
男の方へ向かった。
「面白いですね…
槍に対して、拳で
挑むとは…実に面白い…
ですが、間合いに入れる
と思いますか?」
「ねぇ、真君と
あの女の子…勝てると
思う?」
相手はそれなりに
戦闘経験あるし…
「…厳しいのは事実だ。
だが、今のところは
良い選択だ。」