5.不安
奈々美は幸せになれますか?
奈々美は少し不安だった。隆史の時のようにコーチが離れていったらどうしよう。
ってそう思った。だけど、コーチは優しかった。
「奈々美ちゃん!」
「コーチ!」
奈々美はコーチと呼ぶ癖が抜けなかった。
「コーチかよっ。まあいいけど。笑」
コーチとは好きなとき会えるわけじゃなかった。
もし、他の部員にばれたら大騒ぎになる。
もしかしたらコーチを辞めさせられちゃうかもしれない。
だから、誰にもいえなかった。というより奈々美事態実感がわかなかった。
「ねぇ、コーチ、今奈々美すごく幸せだよ。」
「えぇ、どうした急に?」
「幸せ。コーチが隣にいてくれるから。」
「俺もだよ。」
この言葉を信じていいのだろうか?コーチは奈々美を裏切らないかな?
奈々美といるの嫌にならないでくれるかな…?
「奈々美ちゃんはさ、俺が奈々美ちゃんの傍から離れていかないか心配だって思ってるでしょ?」
「えっっ!!なんで分かるの??」
「分かるよ。顔に書いてある。」
「うそ。。照」
「離れていかないよ。俺はずっと奈々美ちゃんの傍にいるから。安心してよ。」
うん、分かってるんだ。コーチがそういう風に言ってくれるのも、実際今そう思ってくれてるのも。
だけどね、この先のことが分からないから不安なんだよ。いつその気持ちが変わっちゃうのかが不安なんだよ。。
「奈々美、ずっとずっとコーチといたい。」
<つづく>