生八橋 2

ちえ  2006-07-15投稿
閲覧数[371] 良い投票[0] 悪い投票[0]

おじーちゃんは何も言わずに、なんだかすごくうれしそうに頷いて、あたしがあげたお土産をにこにこしながら見ていた。     おばーちゃんは     「まぁまぁおいしそうね。ありがとう、ありがとう。」 と言って喜んでくれた。その夜は疲れたし、早く寝た。起きたら、おじーちゃんの部屋に主治医がきていて、ぽっかり口のあいたおじーちゃんを診察していた。 「7時15分です。」 急の出来事だった。おじーちゃんは年の為亡くなった。昨日まで元気だったのに、にこにこしていたのに!生八橋を食べる事なく行ってしまった。      反抗期の嫌な態度ばかりしていたあたしは悔しくて、情けなくて、後悔の嵐だった。もっとやさしくしてあげればよかった、もっと話をすればよかった。もう後悔しても何もできない。 その時母が「おじぃちゃんはあんたが帰ってくるの待ってたんだね」と言った。おじぃちゃん、おじぃちゃん、ごめんね。こんな出来そこないの孫を最後まで待ってくれてたんだね。ありがとう、ごめんなさい。それからあたしは人にやさしくするようになった。最後におじぃちゃんが大事な事気付かせてくれたから。おじぃちゃんたまには夢に逢いにきてね。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ちえ 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ