おじーちゃんは何も言わずに、なんだかすごくうれしそうに頷いて、あたしがあげたお土産をにこにこしながら見ていた。 おばーちゃんは 「まぁまぁおいしそうね。ありがとう、ありがとう。」 と言って喜んでくれた。その夜は疲れたし、早く寝た。起きたら、おじーちゃんの部屋に主治医がきていて、ぽっかり口のあいたおじーちゃんを診察していた。 「7時15分です。」 急の出来事だった。おじーちゃんは年の為亡くなった。昨日まで元気だったのに、にこにこしていたのに!生八橋を食べる事なく行ってしまった。 反抗期の嫌な態度ばかりしていたあたしは悔しくて、情けなくて、後悔の嵐だった。もっとやさしくしてあげればよかった、もっと話をすればよかった。もう後悔しても何もできない。 その時母が「おじぃちゃんはあんたが帰ってくるの待ってたんだね」と言った。おじぃちゃん、おじぃちゃん、ごめんね。こんな出来そこないの孫を最後まで待ってくれてたんだね。ありがとう、ごめんなさい。それからあたしは人にやさしくするようになった。最後におじぃちゃんが大事な事気付かせてくれたから。おじぃちゃんたまには夢に逢いにきてね。