団欒

ジィーコ  2009-05-24投稿
閲覧数[1167] 良い投票[0] 悪い投票[0]


大学に合格し、家賃が安いわりになかなか良いアパートも見つかり、憧れだった独り暮らしが始まった。


授業が終わり家に帰ると、いつも6時半くらいでちょうど良い夕食の時間になっている。
夕食はいつもテレビをみながら一人で食べているのだが、隣の部屋から家族の楽しいそうな声が聞こえてくるため、あまり寂しくなく過ごすことができた。


このアパートで暮らし初めて半年になるが毎日一家団欒で楽しそうな声は聞こえてくるが、まだお隣さんとは一度も逢うことはなかった。


ある日の朝、大学に行くため部屋から出るとちょうど大家さんがいたので聞いてみることにした。

「あの…私の隣の部屋ってどんな方が住んでいるんですか?」


「えっ……。」
「今なんて…?」

大家さんはすこし戸惑っている様子だった。


「いつも隣から楽しそうな声が聞こえてくるので、どんな方が住んでいるんかと思いまして…」


大家さんは明らかに困惑し怯えた様子で答えた

「誰も住んでいないわ…。」
「3年前にその部屋で一家無理心中があったのよ。とても仲の良い家族だったんだけどね…。」






投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ジィーコ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ