「誰ですか?」
僕は恐る恐る尋ねた。
「ワシは辰牙家4代目の
辰牙 龍紋(たつが りゅうもん)じゃ」
「辰牙 龍紋!?
何で辰牙家4代目が
ここにいるんだ?」
「ふぉふぉふぉ
焦らんでもよい
ワシは逃げはせん」
「焦るだろ!
いきなり知らない人が
出てきてるんだから」
「知らない人?
人ぎきが悪いぞ
実の祖父に向かって」
「祖父!?
俺のじいちゃんは
辰牙 龍星(たつが りゅうせい)。
第一俺は16代目だぜ」
「16代目!?あの術は術者が死ぬと解除されるはず
じゃが一体…」
「じいさん!
ちょっと待ってくれ
話しを整理すると
じいさんは
何者かに術をかけられ
今の今まで意識が
なかったと言うことか」
「そいうことじゃ」
「おそらくその術者は
じいさんの息子さんだろ」
「ほぉ〜
なぜ、それを?」
「俺も頭が回る方でね
じいさんは、まず
俺と会った時に
自分の息子と思わず
孫だと疑った」
「当然じゃろ
お前さんの顔が
息子じゃないから
孫かと疑っただけじゃ」
「いいや、じいさんは
さっきこう言った
"あの術は術者が
死ぬと解除されるはず"と」
「だから何じゃ」
「じいさんは
術者が死んでいると
知っていた!」