海斗「うっ…?ここは?」
光が徐々に弱まってきて周りが見えるようになってきた。
アルと梓は俺の両脇に立っていた。
海斗「ここは…?」
周りには花畑があった。
梓「綺麗…」
アル「ここはゲイルじゃ。それも二十年前のな。」
海斗「二十年前のゲイル…?」
アル「そうじゃ。わしの魔術で時空間を移動させた。」
海斗「時空間を移動!?そんなことが…」
アル「出来るんじゃよ。まぁお前も修行を積めばこれくらいはどうってことはない。」
海斗(俺にも…)
アル「では行くぞ!」
海斗「行くって…どこに?」
アル「決まっとるじゃろう!お前の故郷じゃ…」
そしてアルは歩きだした。
海斗「父さんにあえるのか…?」
アル「………」
海斗「母さんにあえるのか?」
アルは黙ったまま歩き続けた。そして俺と梓も黙ってその後ろをついていった。
しばらくするとアルが立ち止まった。
アル「残念じゃがそれはならん。そんなことをしてしまえば歴史が狂ってしまう。」
海斗「そんな…せっかくあえると思ったのに。」
アル「じゃが逢うこと位はできる。」
海斗「!!」
しかしアルはそれ以上は何も言わなかった。