‐命の期限‐<コクハク>
始まりは、あまりにも急だった。
ただの風邪と同じような病気で、簡単に治ると私は思ってた。
不安を抱きながらの入院生活。
この時私はたった5歳で、普通なら人生の始まりにもすぎない年齢だった。
けれども違った。
両親は、病院の先生に急に呼ばれてどこかに行ったきりだった。
しばらくすると、目を真っ赤でにして扉の前に二人は立っていた。
―どうしたの?
―アナタハシンゾウビョウナンダッテ。
―ハタチマデイキラレルカワカラナインダッテ。
―え?
意味が分からなかった。
風邪みたいなただの病気って言って?
なんで?
なんで私ばっかり酷い目に遭わなきゃいけないの?
ナンデカミサマハワタシヲエランダノ?
ナンデカミサマハイジワルナノ?
‐続く‐