屋上
貴博『ふぅ…』
口から紫煙を吹き出す。そしてまたパイプに口をつける。
貴博『すぅ…はぁ…』
俺は野中貴博(のなかたかひろ)、高校二年生。
今日はいつもの日課、屋上でケムリを吹かしている。一見タバコに見えるだろうが単なるハーブだ。
貴博『最近吸う量が増えてるな…』
ほどほどにしとかないとな。誤解されるといろいろ面倒だし。
俺はパイプの火を消した。
貴博『帰るか』
立ち上がろうとした…
ガン!
乱暴な音をたてて屋上の扉が開いた。
男子生徒『オラ!とっとと入れよ!』
ピアスに金パツのいかにも悪っぽい奴等が背の低い女の子を連れて屋上に入ってきた。
男子生徒『ぶつかっといて謝りもしねぇとはどういうことだよコラ!』
最近の若者は実にくだらない理由で人に突っ掛かるな…。てか俺がいるのに気付け。
女子生徒『………』
女の子(なかなかタイプ)は男を見据えたまま黙っている。
男子生徒2『さっきからスカしやがって!』
三人の中の一人が何も言わない女の子に腹を立てている。
男子生徒3『まぁ…すぐにそんな余裕ヅラできねぇようにしてやるよ!』
男達が女の子に近付く。こりゃビデオカメラ用意しなきゃな。
何を期待したのかって?それは言えないな、俺の品位が疑われる。
女子生徒『…』
女の子は黙ったままだ。