「ちょっと待って!僕にはそんな趣味は・・!」
言うなり、その唇が塞がれる。
時雨にとっては、それがファーストキスだった。
バスローブを器用に花音が剥がしてしまうと、十六歳の若々しい身体が晒される。
時雨は恥ずかしさのあまり、顔を背ける。
花音の指先が、繊細な部分に触れた瞬間、知らずの間に時雨は喘いでいた。
花音の身体は凄く熱い。
彼も欲情しているのだと知った時、時雨の支配欲が理性を上回った。
花音を押し倒すと、彼の小さな突起に舌を馳せた。
感度がいい花音は、ビクンと体を震わせると、吐息を漏らした。
紅潮する頬。薄く開いた唇。全てが色っぽくて、時雨は戸惑う。
男、それも年上の相手を前に、一つになりたいだなんて。
恍惚にいた花音が、油断をついて突然時雨の身体を押し倒した。
まさかと思った予感は当たった。
「ごめん。我慢もうできない」
切迫詰まった声でそう言うなり、花音の膝が時雨の足を割った。
時雨が焦る。
「ちょっと待ったッ!僕初体験だから」
「なら、私色に染められる」
「んっ・・!」
痛みは無かったが、花音は更に深く身体を沈めた。
身体が花音に征服されていく。
抵抗する気も起きない。
突き上げる度に、経験した事も無いような快感が押し寄せて来る。
「嫌っ!そこは」
「ここがいいの?」
時雨は泣きそうになった。
もう我慢出来ない。
その時だった。動きがいっそう早くなる。花音も、もう近いのだ。
花音が一際深く穿った時だった。
強く抱き合った。
同時に果てた二人は、しばらくそのままでいた。
それが、花音との最初の出会いだった。