ヨルノ カノジョ(後編2)

キングボーズ  2006-07-15投稿
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それからボクは暗くなっていった。夢に出てきた友達とも話をしなくなり、何もせず日々を浪費していた。

ある日、夢を見た。生きているのか死んでいるのか分からない人達が坂道をぞろぞろと歩いている。ゾンビの百鬼夜行とでもいうのだろうか。ボクは冷めた気持ちで彼らを見ていた。しかしすぐにボクの心は動揺で染められた。その行列のなかに消えたはずのあの子が混じっていた。ボクは嬉しくなって、近くに走っていった。
しかし彼女は少し寂しそうな表情をして、ボクに別れを告げた。もちろんボクは嫌がった。彼女は親が子をなだめるような優しい声で言った。
「もう会えないけど、これからも一緒だから大丈夫だよ。」
そう言い残し、行列の中に消えていった。

その後彼女の夢は見ていない。そしてボクは無事高校生になった。もう彼女の顔は覚えていない。しかし今ボクが付き合っている彼女は、どこか夢の彼女に似ているところがあるのかもしれない。


小学生のボクは夢を見た。それは甘く、切ない決して叶うことのない恋の夢。

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