伝染鍵?

 2009-05-26投稿
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次のページをめくると、鍵屋と書かれた地図が出てきた。

隣町の繁華街を指していた。

迷ったわけではないが、とにかくこの「感染」について情報を集めようと思った。

僕は妻を連れて隣町へと出かけた。



指定された場所には「居酒屋キーポイント」と言う飲み屋が一件あった。

中へ入るとかなり年を召した老人がマスターで、同い年くらいの男性が飲んでいた。

僕は迷わず聞いてみた。

「鍵屋はここですか?」

すると老人は薄笑いしながら「ものごとにゃぁ順序がある、まぁ座りゃんせ。あれは君の奥さんかい?」

「えぇ、家内です。」

「ふっふっふ。二人とも感染者かぃ。」

妻と顔を合わせ、即座に答えた。

「な、なぜわかるのです?」

「顔に死相が出とる。選択を早まってはいかんぞぇ、ほれ。奴を見てごらん、あんなに落ち着いとる。」と、カウンターの客を指さした。

僕はとっさに
「あなたも感染者なんですね?」

すると彼は僕をにらみつけた。

マスターは笑いながら「奴はしゃべれないんじゃ。最良の選択をして声を失った。」

僕は震えが止まらなかった…



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