人生は儚い。 「うそつき」 言葉を口にする。 喉がからからに渇いていた。 「お前はうそつきだ。俺より先に逝くなんて」 目頭が熱くなる。 『オレ、兄貴の最期、看とるから』 さっきそう言った弟の顔がまざまざと目の前に浮かんで見えた。 弟の死顔はとてもきれいだ。 まるで交通事故とは思えない。 「高橋さん。そろそろ病室に戻った方が」 看護師が心配して声をかけてくる。 末期がんで余命一ヶ月の俺より先に逝くなんて…。 人生というのはなんて儚い。
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用