俺とお前の三日間 1st day

鏡 恭弥  2009-05-26投稿
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朝、全くやる気が出ない。

昨日の出来事は夢ではなく、俺の服に付いていた死神の羽根がそれを物語っていた。

俺は会社に辞表を出して、家でゴロゴロしている。

明後日には死ぬかもしれない、そんな中で仕事なんか出来るものか。









…しかし、暇には勝てない。

俺は今、路地裏にいる。
昨日の場所だ。
これは日課のようなもので、一日一回は来るようにしている。

今日もここは面白みのない場所―――\r

「ニャー」

―――のはずだった。

…声のした方へ振り向くとそこには段ボールに入った黒猫が。


俺と同じだ。そう思った。

死を待つ姿が、孤独に捕われている姿が、俺と重なった。

俺は明後日死ぬ。こいつもここにいればいつか死ぬ。

ならば、と俺は猫の頭を撫でてやり、抱き抱えて帰宅した。


空は、月が綺麗に映える、漆黒の空だった。



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