その日の帰り美優は、大型ショッピングセンターに寄ってお弁当箱を選んでいた。
もちろん拓人のお弁当箱だ。美優は、お弁当を自分で作って持参していたため、一人分作るのも二人分作るのも手間は同じだ。なにより拓人のために協力できることはしたかったし、拓人の喜ぶ顔が見たかった。
久しぶりの再会で思うような反応は返ってこなかったものの、ここで自分の存在をアピールしたかった。
心の奥底に、ずっと恋心を抱いていて、忘れかけていた相手だったが、今回の再会によって、その
思いは心の表面に一気に浮上してきて、膨らんでいった。拓人の情報を得るたびに心が揺さぶられていった。