捨てる神あらば拾う神あり。人の価値観は多種多様、千差万別、そして種々雑多。
棄てる…捨てる…ステル。そうして生きてきた俺だから、当然自分の命を捨てるような職業に就いてしまう訳で、やっぱり何回も危険な目に遭っていて、当然今回もヤバかったりする。
[男]「あ〜ゼッテ〜割に合わんよね〜〜コレ。」 そんな毒突きも銃撃と罵声によッて軽くスルーされてしまう。今回の仕事の内容は運び、お約束であるアタッシュケースを聞いたことがない施設に運ぶ。なんとも単純に、明らかに、ツーか…だいたいそんな仕事しか入って来ないが………。まぁつまり、訳有りの仕事であった。 [男]「クライアントもえらいモン預けていきやがったなぁ…」
愛車が弾痕によっていい感じにデフォルメされてる。
[男]「しかし、どこの回し者だぁ?派手にヤリ過ぎだろ!!!」
映画さながらのカーチェイスを繰り広げながら既に3台も巻き込んでいた。その内1台がパトカーだったりする。
[男]「これじゃ埒があかねぇ…、しゃーない遊んでやりますか!!……ッとその前にッと」
車の窓を開け、アタッシュケースに手をかける。ちょうど目印になりそうな珍妙的ガラクタばかり捨ててあるゴミ捨て場があった。
[男]「ゴミ捨て場か…、俺にとってお似合いの場所だな」 タイヤの摩擦跡と宣戦布告の響きを残しながら急速Uターンし、バックで走行。そのままゴミ捨て場に突っ込んだ。
[男]「一応捨てたつもりじゃネー」
誰かに言い訳するかのように吐き捨てながら、アタッシュケースをガラクタの中に投げ捨て勢いよく飛び出した。
……続く。