学校なんて…くだらねぇ。俺は授業をうけながらそんなことを考えていた。高校に入学して三ヶ月がたった。しかし未だに高校に通う意味がわからない。
『化学変化の際に出入りするエネルギーを反応熱といいます』
化学担当の……名前は忘れた。
もっとも嫌いで、もっとも役に立たないと思う化学。眠くなってきた…。睡眠学習でもするか。
昼休みになった。飯の時間だ。
『幸二、金貸してくれよ』
俺は、クラスでわりと人気がある幸二に言った。
『何で俺なんだよ。信也でいいだろ?』
信也とは、クラスでも一番気が弱くていつも一人ぼっちな奴だ。
『うるせぇなー。さっさと渡せよ』
俺はコソコソするのは嫌いだ。だから、教室でこんな行為は堂々と出来る。
『せ、先生に言うぞ』
『言ったらどうなるかわかってるだろ。』
弱い奴はすぐにセンコーに頼る。先生は自分の味方だ、と思っているようだがそれは違う。センコーだってよけいなことはしたくない。
俺は幸二の好意でもらった金で昼食を買った。さっそく教室に戻って一人で食べた。一人じゃ何も出来ない器の小さい奴ばかりだ。こんな奴らと同じ教室にいるだけでヘドがでそうだ。あ〜つまらねえ。