家に帰るとリビングに手紙が置いてあった。
《用事あるから適当に食べて》
と書いてあった。
父は一年前に死んだ。それから母は変わった。滅多に家にいない。理由は大体見当がつく。男だろう。まあ、俺には関係ないことだ。
俺はタバコに火をつけた。周りは時が止まったかのように静かだ。コンビニでも行くか…。
徒歩三分でコンビニに行けるこのマンションは便利だ。そんなことを考えているとコンビニに到着した。
コンビニの中に入ると、中に同じクラスの井上葵がいた。
『真次君、何買いにきたの?』
どうしてお前に言わないといけないんだ。それにしてもクラスの奴らは俺が怖いらしくて話しかけてこないが、こいつだけなぜか話しかけてくる。
『晩飯買いにきたんだよ』
さっさと用を済ませて立ち去るか。こんな奴のあいては疲れる。
『真次君って、よくここで買っていくよね。コンビニの弁当ってすぐに飽きない?』
『そんなこと聞いてどうすんだよ』
お前の趣味は人間観察か?
『いいじゃない別に』
お前が女じゃなかったらぶん殴ってやりたい。
『大した理由がないなら聞くな』
俺はそう言うと弁当を買ってさっさとコンビニから立ち去った。