「田神くーん、お見舞に来たよ…」
桜が病室に来ると直史の姿はなかった。
「診察にでもいったのかな?」
すると病室に直史の母親が入ってきた。
「あら…あなた昨日の…」
「月島です…あの…どうかしたんですか?顔色が悪いみたいですけど…」
桜が言うと直史の母は泣き出した。
「えっ!?どうしたんですか!」
「直史は…直史はね…死んだの…」
え……?
死んだ……?
昨日まであんなに元気だったのに…?
「でも…怪我はもう安静にしてれば治るって…」
「それが…」
直史の母の話によれば、昨日一階に階段で降りていた直史は足を滑らして階段から落ちてしまい、傷口がまた開き出血多量で医者が見つけたときにはもう手遅れだったのだそうだ。
「そんな…」
「ごめんなさい…夫が出張で子供の世話しないといけなくて…」
「違う…私が…あのとき…」
桜と直史の母はその場に泣き崩れた。