走り出してから僕たちは、学校近くの交差点に差し掛かろうとしていた。
隼人
「ん?…なんだあれ?」
隼人が交差点のところに人だかりができているのを見つけた。
美奈
「何かあったんでしょうか?」
隼人
「行ってみるか」
花梨
「でも時間ないよ?」
その通りだった。走ったおかげでぎりぎり間に合いそうな感じだったがここに来てこの出来事……果たして学校に間に合うだろうか………
隼人
「いいじゃん……行ってみようぜ!」
達也
「僕は、いいけど…二人は、どうする?」
花梨
「私は、パス。やめとくわ」
美奈
「私も……遠慮させてもらいますね」
隼人
「そっか…じゃあまた放課後な」
隼人がそう言うと‘じゃあね,と言って二人は学校のほうに歩いて行った。ちなみに花梨の学校、リェール魔法学院はかなり規則が厳しいのだ
隼人
「さて、見に行くか!」
達也
「う、うん」
僕達は、人込みを掻き分けて先頭に到着した。どうやら交通事故みたいだちょうど近くにいたウチのクラスの連中を見つけた
達也
「何があったんだ?」
男子生徒
「桐原か……事故だよ。交通事故」
達也
「交通…事故……」
達也が交差点を見るとトラックが横断歩道の近くにある電柱に突っ込んでいた。そしてその周りには夥しいほどの真っ赤な血がぶちまけられていた。風に乗って鉄のような臭いがする。
隼人
「ひどい…な………」
達也
「……………」
僕は、その光景を見て言葉が出なかった。隣にとまっていた救急車にストレッチャーが入るのを見ていた。その時、移動した振動でストレッチャーに乗せた死体の手が出てきた。その手からは、今も血が地面に一滴ずつ落ちていた。
達也
「……………」
隼人
「行こう……達也」
僕も隼人もその光景を見て言葉を失った。僕達は、この場から離れようとしたその時、風に乗せて声が聞こえた
???
『助けて……』
達也
「!?」
僕は、周りを見渡し声の主を探したが見当たらなかった。空耳だったのだろうか……それにしても
達也
(あの声……どこかで…)
そんな事を考えながら僕は、学校へと向かった。