さて、この物語はこれからいよいよ核心へと向かう。
天才デブのシンジ。
トップミュージシャンの三人の歌姫。
スーパーアイドルのタクヤ。
体力抜群のケイン。
したたかに世を渡るオカマのイッコー。
危険な刑事達。
謎の主催者。
妖艶な美女達。
石川遼一ら失業者達。
走り屋。
暴走族。
様々な人々の思惑を含み物語は加速してゆく。
しかし、この物語がどうなろうと、世の中が何か変わる事などない。
劇中で人が死のうが、不幸になろうが、恋が実ろうが全くもって世は変化しない。
安心して観られる、読める暴力や偏見。
そんなモノが世には溢れている。
新聞。雑誌。テレビ。映画。コンピュータネットワーク…。
それらは無関係を装いながらアナタに近づいて来る。
アナタはそれを無視出来るだろうか?
目を閉じてしまえば…。耳を塞いでしまえば…。ディスプレイを閉じてしまえば、それらとの関係は切る事が出来る。
それらはアナタがもし興味があれば、手を伸ばせばすぐそこにある。
いつでも始める事が出来る。いつでも止める事が出来る。
だから、この物語はエピローグから始まるのである。
興味があれば、またディスプレイを開いていただければ、この物語の続きを目にする事があるかも知れない。