汚染 135

ふく  2009-05-27投稿
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帰りの電車の中で貴方と同じ匂いを見付けた
一瞬貴方がいるかと思って
どきどきして周りを見渡した

いるはずもないのに
そんなはずはないのに
急に寂しくなって俯く
涙は流さない様に唇を噛み締める

貴方が隣にいなくても大丈夫
もともと私は一人だから
平気な振りをして立っていても
貴方は此処にはいないと実感した時
足元がふらついて
目の前が暗くなって
泣き崩れてしまいそうになる

二人でいる時
あんなにも貴方の愛を感じて幸せだと思えるのに
現実の恐怖を知ると
貴方を遠くに感じてしまう

どうして毎日貴方に触れられないのだろう
どうして会いたい時に会えないのだろう
どうして側にいて欲しい時に側にいてと言えないのだろう
こんな願いも私の手では掴めない

何処からともなく届くこの香りに私は今どうしようもない位動揺している

馬鹿だねって自分を笑いたくもなるけど
何でもいいから貴方を感じていたい
目を閉じれば貴方がすぐそこにいる様な気がして
こうする事でしか寂しさを紛らわす事が出来ない

全てに敏感になる
そうやって貴方の匂いを探したり
貴方の面影を探したり

ごまかす事は出来ないけど
貴方じゃないと何も意味がないんだけど
この苦しみに打ち勝つ方法をまだ私は見付ける事が出来ないから

何でだろう
こういう時
貴方の顔を必死で思い出そうとするのに
思い出そうとすればするほど記憶が形を成さない
靄が掛かった貴方の顔しか思い出せない



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