次の日の朝、早速二人分のお弁当を用意していると、妹の華がキッチンにきて不思議そうに尋ねた。
「それ誰のお弁当?」
美優は返答に困ったが、正直に答えた。
「クラスの好きな男の子 のお弁当だよ」
「えっ、どんな人なの〜?彼氏って人?」
「彼氏じゃないけど、カッコイイ人だよ」
「片思いってヤツ?彼氏になるといいね!」
妹がさらにツッコンで聞いてきた。
「そうだね」
美優ははにかみながら答えていた。
妹に指摘され、改めて彼の事が好きなんだ…、と再認識させられた気がした。と同時に『彼氏』という言葉に新鮮な響きを感じた。本当にそうなったらいいな…、いや、そうなりたい…と具体的に願望を抱きながら、登校中のバスの中で考えていた。