婚約とは…どういう事なんだYO!?
頭がこんがらがって来て語尾がおかしいんだZE!
「お嬢様。右手を見せなさいませ。」
俺がもう少しで変な踊りを踊りだしそうなときに、執事さんがイーザに少しいらただしげにそう言った。
「やだ」
イーザは即答で断った。
「見せなさいませ。」
執事さんは数倍の冷たい声で再び言った。
…すごく怖い…
「…………はい」
イーザもさすがに無理だったらしい。しぶしぶ右手をさしだした。
執事さんがイーザの手を取り手のひらを観察するように見た後、落胆の深いそれはもう深いため息をついた。
「間違いないんですね。」
執事さんはイーザの手を離すと、俺の方を見て今にも殺してやるといった冷たく、そして、なんとも言えないようなかさじかだった。