何か流れ出してきた
どこか懐かしいような
哀しさと美しさが
混ざったような歌が
聴こえだした
「この…曲は?」
「これは…」
彼女は戸惑いながらも
小さく答えた
「私とあなたの
思い出の曲」
「俺と君に…
何があったんだ?」
何か思い出せそうな
もどかしさが頭にあった
だけど思い出したら
いけないような気がした
「思い…出せないの?」
彼女の頬には一筋の
涙が流れていた
「あんなにたくさん
一緒にいたじゃない…」
ズキッ