あそこのおばあちゃん

プーマン  2006-07-16投稿
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お父さんから聞いた話。         お父さんがまだ小学生の頃。           「あそこのおばあちゃん、目が見えないんだって。」その話が小学生の間で、話題になっていた。小学校は古い駅の近くに建っていて、生徒の数も全校生徒60人程度だった。駅にはほとんど電車は通らず、朝の6時、夕方の5時と6時、夜の10時、その4つくらいで、当時のお父さんなんか、電車の音で家に帰る時間や寝る時間を計ってたくらいだったらしい。そんな人口が少ないとこにお父さんは住んでいた。ある日、お父さんが友達と遊び終わって帰ってると、前にとても歩くのが遅いおばあちゃんがいた。遅いというより、なんか捜し物をしてる感じの歩きかただった。お父さんは思った。「早く行かないと6時の電車が来て足止めくらっちまう!」お母さんから怒られたくない一心で、おばあちゃんをちょっと強引にぬかした。自転車のスタンドがちょっとおばあちゃんの足に当たった感じがした。やばいと思いスピードを上げて、おばあちゃんを振り切った。どうにか、6時の電車とでくわさず、無事に帰ってこれて、晩ご飯には間に合った。つぎの日、友達が言った。「おい!誰か電車にはねられたんだって!」  学校が終わったら、友達と駅に見に行く予定だったが学校が終わる頃には、みんな忘れていて、いつも通り仲の良い友達のとこに遊びに行っていた。5時の電車の音が聞こえ、昨日と同じ道を自転車で走っていたら、また前に歩くのが遅いおばあちゃんが見える。でもなんか様子がおかしい。お父さんは口にでてしまった。           「手がない」       お父さんは恐くておばあちゃんを振り切った。とても早く走ったせいか晩ご飯の時間には軽く間に合い、お母さんに誉められたのを覚えてるらしい。おばあちゃんのことは誰にも言えなかったらしい。つぎの日、また友達が「また駅で電車事故があったらしいよ!」          つづく



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