昼休みも終わりに差し掛かったころ、拓人が弁当箱を返しにきた。
「ありがとう。うまかったよ」
「え、本当に!!藤木君のお口に合うか心配だった」
美優はほっとしながら嬉しそうに言った。
「あのね、もしよかったら明日から毎日作ってきてもいいかな…?」
拓人は一瞬戸惑いの表情を見せた。
「悪いけど、そーゆーの迷惑なんだ」
拓人はその一言を言い終えると去って言った。
(メーワク!?)
美優は呆然としながら、その言葉を反芻していたが、始業のチャイムが鳴り、急いで拓人のお弁当箱を鞄にしまった。