少し強めに打った腰をさすりながらカケルは立ち上がる。
老人に向き直るとカケルは尋ねた。「一体ここでなにを？ここはど…」「よい木じゃろ」「あの〜…」「わしはこの木が好きじゃ」「あ……」「この天界で育つものすべてがのぉ〜」
完全に無視られている「でも…ここが天界…」見渡す限りに広がる青空。緑いっぱいの自然…まるでどこか山奥の田舎にいるみたいだ。
「しかし…ようきたのぉ」老人の声に顔を向ける。
「オヌシ…光の戦士じゃな」「なっ」突然の老人の言葉に思わず後ずさる。
「不思議がらんでもよかろう」髭をもさもささせている。
「なんで…わかるの？」
不思議がるカケルの腰を指差す。「ほれ、オヌシの心剣が具現化されておるじゃろ」
「な、ななっ」見れば腰に納まっている一本の剣と、前に教科書で見た西洋の騎士と呼ばれる人達がつけていた甲冑の胸当てと脚にも双脚鉄がついていた。
「具現化される心剣と甲冑は戦士の強さを表す…ほう…なかなかよい心力じゃ…」
満面の笑みを浮かべる老人にカケルは尋ねた。
「あなたは…一体…」
「わしか？わしの名はゼウスじゃよ」髭をもさもささせながら老人はカケルを見つめた。
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