「本山高校!!」
「はい!!」
修二ははっきりとした声で言った。
オーダー表の墨書きと参加料を払い、くじに向かう。一回戦から強いのはやめてくれよ。
修二はそう祈りながらくじをひいた。
「18番です。」
そう係りの人に言った。
「本山高校18番!!」
座っていたところに戻る。
「嘉谷さん。一回戦公立ですよ。岡野高校です。」
抽選会についてきた新藤が言った。
岡野、一回戦はいけるな。
「新藤、トーナメント表もうだいぶ埋まってるだろ?ちょっと見せてくれ。」
「まだ全部書いてないんですぐ返してくださいよ。」
トーナメント表を見る。
翔星は第一シードだからAブロックか。
同じブロックだな。
翔星とはベスト4決定戦か。
「ありがと。」
そういって新藤に返した。
とうとう大会ももうすぐそこになり、抽選会が行われた。
もうこんなにも時間がたった。
少し減量もしなきゃな。
「それではこれで抽選会を終了します。解散。」
「よし。新藤帰るぞ。」
「はい。」
抽選会の会場を出た。
「嘉谷さん電車ですよね?俺自転車なんでここで。」「おう。また明日な。」
「お疲れ様です。」
そう言って新藤が帰った。
さあ、俺も帰るか。たしか俺定期圏内の駅まで180円だったな。
そう考えて財布を開ける。58円。
なんで!?
あっ。
………。
………。
………顧問から参加料預かってなかったから、代わりに3000円負担したんだった。
新藤は。
周りを見渡したがもういなかった。
はぁ。
歩いて定期券使える駅まで行くか。
そう考えてトボトボと歩き始めた。