迷想

コトミ  2009-05-31投稿
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「これから十分間の休憩に入る。さっき言った事、覚えとくんだぞ。」

長い説明が終わり、先生が教室から出る。

「ハァ〜…。やっと休憩だぁ…。」

見知らぬ男子が口を開く。
その言葉を合図に、周りが急にざわつく。

「ねぇ×2。名前、なんて言うの?」

後ろの席の女子が急に話掛けて来る。

「池内舞衣だけど…。」
私は軽く驚きながらも、自分の名前を名乗る。

「ウチは今木零。宜しく。」

そう言いながらおもむろに手を差し出す今木さん。

私はそっとその手を握る。
私よりも小さくて可愛らしい手。

その時は本当に今木さんを好きになった。

あんな事が、起こるまでは…。

「ゴメン。ウチちょっとトイレ。」

自己紹介をしてからずっと居る今木さんにそう言い、私はトイレに向かう。

「でさぁ〜………。」

「マジで!?」

微妙に後ろから聞こえる男子の会話。

私は後ろに振り返る。

あっ………。

私は声を漏らしそうになった。

……慎…。

後ろで会話をしていたのは、慎と、友達の晶だった。

ふいに慎と目が合う。

私の胸が跳ねる。

しかしその目線はすぐに、慎によって逸らされる。

やっぱ、覚えてるんだ……。



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