…夢…
人は何故死ぬのだろうか…?
「おばあちゃんはどーして死んだの?何処に行ったの?」
「空のお星様になったんだよ」
「キレイだね。皆お星様になれるの?」
「良い行いをしてきた人はなれるんだよ」
子供ながら父が言った事は本当ではない事を知っていた…
おばあちゃんが無くなったのは一週間前…
皮肉にも長女の結婚式と重なった…結婚式を不在とし。長男である父は九州の母のいる病院へ向かった…
一週間前脳出血で倒れたおばあちゃんはそこから意識も戻らす、脳死宣告され…状態もかなり危険だと…
延命処置をするかどうかせまられていた。
脳死で口には人工呼吸器。
体のあちこちに管が付けられ…吸引すると、出血して…痛々しかったと。
「機械を止めてください……」
父はどんな気持ちで決断したんだろう…?
姉の結婚式の次の日、母と九州へ向かった。
白と黒の布…葬儀が行われていた。
父は忙しく来客の挨拶をしていた…
「この度は…母の為に…おこしくださいまして…ありがとうございます。」父は膝に握り拳をしながら一礼した……
父が泣いている……
私にとって父は厳しく、強い存在…その父の涙を初めてみた…。
父はその後一度も涙を見せなかった…。
「おばあちゃん助けたかった…。」
「そうだな…」
父のさみしそうな顔が小さな私の心に残った。
小学校の卒業文集
私の夢。
私は将来看護婦になって、沢山の人を救いたいです。
それは、私の夢への始まりでした。
中学三年になり私は進路に困っていた…
高校受験…就職…私の夢…
現実は厳しい。
私は7人兄弟の一番下で、その当時もかなり珍しかったが…とても高校に行かせるお金が無い事を私は知っていた。
三者面談。
母はどーするの?と聞いてきたが、私は何も答ず、先生も困っていた。
面談の帰り道、母は私に「お金が無いから働いて欲しい」と
お願いしてきた…
「姉は高校行かせたのに、私は馬鹿だから?」
「………」
母は何も言わず…
私は涙が止まらなかった…こんな家に生まれて来なければよかった…
何度家出をしただろう…あの家に帰りたくない…そんな事を毎日考えていた。
〜続〜