結局、私は大学進学を断念しすぐに就職した。
奨学金を貰えば?と言ってくれる人もいたが、私が働いて稼がなければ家計がもたないことは明白だ。
幸い、高校在学時の私は成績が良く、地元では一、二を争う大きな企業への就職が決まった。
そういえば、勉強したかったデザイン系の大学へは友人の入学が決まったっけ。
就職してからは、大卒と高卒の扱いの違いに疑問を感じながらも、毎日なんとか頑張った。新しい友人も出来、社会人生活もそれなりに上手くやっていけていた。
そして、仕事が終わったら、ろくに会話もない家へと帰る。それももう慣れっこだ。
毎日毎日同じことの繰り返し−…
まぁ、そんなもんだろう。
そんなある日、あなたに出逢った−…
もう半年前に出逢ってたよ、とあなたは笑うかもしれない。
だけど、私にとってはあれが確かに運命出逢いだったの−…