それから少しすると、
[付き合ってること加藤に言って良い?]
と悠哉からメールがあった。
鈴はこれを承諾し、次の日から2人は堂々とクラスで話すようになった。
1週間後、鈴は教室の前にいた。面談だからだ。
もちろん、非行等をしたわけではない。
「すまんな、待ったか?」
と先生がやってきた。
「いえ、さっき来たばっかなんで。」
鈴が言う。しかし、10分くらいは待っただろう。
教室に入るとまず、
「えーっと、弘瀬。お前裏で組長やってるのか?」
「へ!?」
鈴はまだ椅子にも座っていない。
「あっ、悪い意味でじゃないぞ?裏でクラスをまとめてくれているのか?ことだ。」
(あぁ。)
「いや、別にそういう訳じゃ…。」
鈴は控えめに言う。
が、第三者から見るとどう考えても鈴がクラスをまとめているだろう。
それからは他愛ない話が続き、特に注意されることもなく、鈴は教室を出て行った。