Boyz Love 桜色の記憶 ?

戒音  2009-06-01投稿
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俺は普通とは掛け離れていた。
女みたいな顔のせいで、おちおち遊んでもいれないし、告白した子からは、女顔のせいでフラれるし、両親は考古学者で、帰って来るのは数年に一度。
今日は一人だけの誕生日なんて慣れている。
でも、自分でお祝いする気分でもないし。
「寒いなぁ」
今年は雪が多い。
見上げた空からは羽毛のように、静かに雪が舞い降りて綺麗だった。
そして前を見た瞬間、俺は一体どんな顔をしたのだろう。
唇が触れ合う寸前に男が立っていた。
男は柔らかい笑みを浮かべた。
男は超絶美形で、背も俺より断然高い。
第三者が目撃したなら、恋人と間違われてもおかしくはない。
俺が一歩足を後退すると、男は手を取り、宝物のように優しく俺を抱き寄せた。
「余を忘れているのだな」
訳がわからず硬直した俺を、軽々と抱き寄せた。
俺は我が目を疑った。
真下に眩しい程に輝く魔法陣が、俺達を中心に展開した。
「あんた、何物なんだ」
当然の問い。
「余の名は獣王。金獅子のディアス」
それが俺の世界との別れだった。


ジャスミンの甘い香りで、俺は目を覚ました。
どれだけ寝ていたのだろう?
その時、目覚めを狙ったかなように、ディアスはテラスから姿を現した。
「気分はどうだ?」
「身体がまるで別人のようです」
「そうか。それならば好機のようだな」
引き締まった男の身体が、寝台を軋ませた。
「ディアスさんッ!?」
「お前の成長を見守って来た。余は、お前の魂を知っている。この世界には空を統べる翼王、海を統べる海王、そして余は、大地を司る獣王」
いうなり、身体を重ねて来る。
俺はただ、ディアスの金色の瞳に惑わされていた。
どうしてだろ?
俺はこの身体を知っている。
何故・・?
「燕妃」
切なく漏らしたその名前を聞いた時、俺は何故か眠くて、意識を失うように眠りに落ちた。



※次回予告\r
次々と記憶が薄れて行く事に戸惑う主人公。
一方、ディアスは最愛の燕姫を忘れずにいた。
すれ違いの二人。そんな隙を翼王は狙い画策していた。

・次回 貴方の音

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