抽選会から3日。
みんな練習に熱が入ってきた。
帰り道。
今日もまた悠は先に帰った。
前と同じで1人で帰った。
「修二くん!!」
このパターンって。
振り返る。
椿が後ろから走ってくる。良かった。
今日は絡まれてない。
「どうしたの?」
「えっと、前のほうに修二くんが見えたから。今帰りなん?」
「うん。」
「一緒に帰らへん?」
「いいよ。」
それから二人で歩き出した。
「そういえば修二くん柔道部なんやろ?」
「そうだけど、なんで知ってんの?」
「この前ミィちゃんが言ってた。」
「そっか。それなら知ってるはずだ。」
「ミィちゃんと悠くん、中学から続いてるんやろ?すごいやんなぁ。」
「まぁあいつらは腐れ縁なみかもな。」
「ホンマすごいやんなぁ。あたしもそんなんなりたいなぁ。」
「椿ちゃん可愛いからすぐできるだろ?」
「そんなことないよぉ。あたしはホンマに好きなった人ちゃうと嫌やもん。」
椿が赤くなりながら言った。
ヤバい。やっぱ可愛い。
「そういえば修二くん、もう6月やからインターハイ予選あるんちゃうの?」
「えっ?うん。」
「いつあるの?」
「6月の中頃の土日かな。」
「そうなんやぁ。時間あったら見に行くね。」
椿が笑いながら言った。
マジかよ。
普通そんなの見に来ないだろ。
これってチャンスなんだろうか?
修二はそう思いながら
「椿ちゃん来たら勝てるかもな。」
と言った。
電車。
「それじゃあたし次で降りるなぁ。んじゃあまたね。」
椿がそう言った。
今しかチャンスないよな。よしっ!!
気合いだ。俺!!
「椿ちゃん。アドレス教えてくんない?」