美優は佳奈に言われた事で、再び彼への思いを奮い立たせていた。
彼の太陽になろう…、小学校の時の恩返しをしよう…、と。
美優は少し、恋仲になるのはあきらめていた。
拓人が美優の存在によって、元気づけられればそれだけでも十分だと思った。ホッとできる存在であるならそれでいいと思った。
拓人が転校していったあと、心にぽっかり穴があいたような寂しさがしばらくあった。
なんとなく月日が経つうちに遠い過去の人になってしまい、心の奥底に仕舞われて、思い出の人になってしまったのに、こうやって、また再会できたことに喜びを感じていた。
彼の姿を見れるだけでも幸せなんじゃないかと美優は謙虚に考え始めていた。
なんとなく、心が軽くなった感じがした。