生徒会室を出ると僕は、当初の目的だった食堂へと向かった。
達也
「放課後にどこに連れて行かれるんだろ?」
そう考えて歩いているとヒビキが話しかけてきた。
ヒビキ
『ねぇ達也…達也ってば!!』
達也
「うわぁ!……アリーシャさん!?」
突然のことで驚いた僕は、つい声をあげてしまい周りに居合わせた生徒が何事かと僕の方を見ていた。
ヒビキ
『バ、バカ!声、出してどうすんの!頭の中で喋るの!』
達也
(ご、ごめん。それより何か用かな?アリーシャさん)
ヒビキ
『その呼び方……やめてもらえる?』
達也
(え?なんで?)
もしかして彼女に気に触ることを言っただろうか?僕?
ヒビキ
『あんた、私のファクターでしょ。だったら私のことは、ヒビキって呼んで……いい!!』
達也
(わ、わかったよ。ヒビキ)
結局、ヒビキの気迫に負けて僕は、彼女のことをヒビキと呼ぶことになった。
達也
(ねぇ…ヒビキは、いつ死んだの?最近?)
ヒビキ
『ん?4〜5時間前かな?』
達也
(4〜5時間前って!?まさか!?)
僕の脳裏に今朝のあの事故が頭の中を過ぎった。
まさか……あそこで死んだのって………
ヒビキ
『私だよ』
達也
(そう……なんだ)
あの事故で死んだのがまさか…ヒビキだったなんて……さすがに思わなかった。
そんなことを考えているとどうやら食堂に着いたようだ
隼人
「達也!どこ行ってたんだよ!」
美奈
「にぃに、おそい!」
達也
「あ……ごめん」
食堂には、すでに隼人と美奈が来ていた。僕は、急いでA定食を買って二人がいるテーブルまで向かった。っていうか結局、毎度お馴染みA定食か……
美奈
「にぃにどこ行ってたの?」
達也
「ちょっとな……つーか学校でにぃにって言うな」
美奈
「あ!ごめん。つい!」
そう言うと美奈は、手に持っていたサンドイッチをおいしそうに食べた。
っと突然、ヒビキが話しかけてきた。
ヒビキ
『ねぇ達也……この子、誰?彼女?』
達也
(僕の妹の美奈だよ)
ヒビキは、僕と美奈も顔を見比べて何か分かったかのように僕に近づいてこう言った。