ステロイド皮膚症
私がインターネットで見付けた薬の副作用。初めて知った言葉。 ずっと医者に頼っていた。ただの小児アトピー、悪くなれば処方された薬を塗った。
二十歳になり就職。今のご時世安月給でも母子家庭で育ててくれた母を安心させる為公務員になった。仕事は辛かったが必死に勉強した。
ある日突然薬が効かなくなった。
ウチはそんなにお金はない。効かないならと皮膚科に通うことをやめた。転院してももらう薬が同じだと知っていたこともあった。痒いのは我慢した。
二十歳の秋、痒みがひどくなる。アトピーでない場所にまで腫れが広がった。
二十歳の冬、私の皮膚は人間の皮膚ではなくなった。赤黒く腫れ上がり、表面は象の様にしわしわで固く、掻きむしっては血と膿でシーツが汚れた。みるみる広がっていくそれは私の皮膚を飲み込み肌色の所がほぼなくなった。夜は熱した鉄をあてられる様な痛みと痒みで眠れず遂に過労で救急車で運ばれた。幸い首から上は発症していなかったが、つい先日右頬から瞼の上までひどく腫れた。毎日励ましてくれた母から
『絶対治してあげるから』と言われながら仕事に出ようとした朝、いってきますと共に涙が止まらなかった。治療法が見付からない病気の恐怖を知った。