奈央と出会えたから。<367>

麻呂  2009-06-03投稿
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* * * * * *

それから、あたし達3人は教室に戻り、


いつもの退屈な授業を受けていたのだけれど――



ブォン‥ブォン‥ブォォォン―ー‐



突然、バイクのアクセル音がし、



それに気付いた、クラスメイト達がざわつき始めた。



“おい、バイクが正門前に止まったゼ?!”



“あっ、メット外した。金髪ヤローだ!!”



“誰かの知り合い?!ヤダァ〜〜。”



“でも見て。結構カッコ良くない?!”


ザワザワザワザワ――



『こ、こらっっ!!お前達!!

今は、地理の授業中だぞ!!』



社会科の渡部先生は、気が弱くて声が小さい。



だから、クラスメイト達に、先生の必死の訴えなど、全く聞こえていない。



“きゃあ〜ッッ☆

あのヒト、イケメン俳優の水沢ヒロに似てるぅ〜〜〜♪♪♪”



“いや、生嶋トーマよ!!”



クラスメイト達は、みんな窓際に集まり、



バイクに乗った、その男に注目していた。



『‥‥だ、だから、みなさん‥‥。

今は、わ‥私の授業中なワケで‥‥。

“エロマンガ島”を地図帳を見て探しなさい。』



“渡部うるせーぞ!!

エロマンガ島だか何だか知んねーケド、
1人でイッて来いよッッ!!”



“きゃあ〜〜ッッ☆
何か、ケータイ持ってるわよ。

誰かに電話してるのかな♪”





渡部先生かわいそう。



でも、みんなにいじられて、ちょっとだけ嬉しそう。



結構、“M”だって噂だから。



それにしても、



女子はイケメン好きよね。



あ、あたしも見たいケド、チビだから無理。



みんなの頭しか見えないよっっ。





『奈央ォ〜。聖人の方見てよ。』



ボーッとしていたあたしの横に、



いつの間にかユカが立っていた。



『う、うん。

聖人、ケータイで誰かと話してる?!

誰と話してんのかな???』



あっっ。



もしかして、



外にいるバイクの人って、聖人の知り合い???





『今、正門前にいるバイクのイケメンは、“魔羅威夜”の京谷さんよ。』



あたしがソレに気付くと同時に、ユカが言った。



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