亜子の生き方はとにかく真っ直ぐだった。そんな彼女に淳はどんどん惹かれていった。
淳はとにかく亜子と生きる事を考え、今の生活の話を聞いて貰う事にした。
「どっちがどうと言う事より、とにかく奥さんとお互い正面から話合う事が、家庭にとって大事なんじゃないかな。向き合う事から逃げても子供にもよくないし、意外と子供ってよく見てるよ。それでも歩み寄れないとどうしても実感した時に離婚を考えたら?」と、夫婦2人共に違う方向を見て、自我を言い合ってる事を見抜いていた。
淳は離婚を言いだす勇気もなかった、その気持ちを子供のせいにした。子供が大きくなったら…そう考えていた。
亜子は「子供のせいにして欲しくない、子供はお父さんとお母さんが仲良しかどうか、よく知ってるよ、それを自分達がいたから、親は納得のいかない人生を送っていたと知った時に、どう思うか、わかる?」と自分の事の様に心配していた。
「一番いいのは、本当に夫婦がお互いをしっかり思い合う事、どれだけ自我ばかりにならず、お互いに尊重しあえるかなんだから、しっかりと話し合って。ふりじゃ子供には通用しないし、子供にもそんな人になってほしいの?」 と更に亜子は懸命に言ってくれた。 淳は複雑だった、しかし、亜子が真剣に言ってくれた事を正直にやってみるべきだと胸に刻みこんだ。