辺りを見回す。
丘の上にいた。
レンガ作りの家、村の外れの方には山の方から流れてきている川もある。
雨が降っていなかったら、さらにいい景色が見えただろう。
だがそんなノンキな事を考えていたのもつかの間、再び激しい爆音が聞こえた。
さっきより近い。
それにしても、なぜアルは俺を此処に連れてきたのだろう?
………………激しい爆音、アルのあの険しい表情…そしてふいにあの時のアルの言葉が頭をよぎった…………
『あれは二十年前…雨の降っている日だった…』
海斗「ハッ…」
俺の頭の中で一つの結論が生まれた。
おそらく父さんや母さんは………今から死んでしまうのだろう…という考えが…