「美優、一緒に帰ろう！」
放課後になり、帰り支度をしていると佳奈が声をかけてきた。
遂に、この日は拓人は学校へ来なかった。
「拓人君、最近、遅刻したり、休んだりが多いけどどうしたんだろう？」
「あ、気になってんだ…。うーん、そういえばこの前塾の帰り、駅前のゲーセンで拓人君見かけたなー」
「ゲーセン！？」
「うん、制服着てたから学校帰りだと思うけど…」
なんとなく嫌な予感がした美優は、この日ゲーセンに寄ってみようと思った。
バスが駅のターミナルに到着し、佳奈と別れた美優の足はゲーセンに向かっていた。
古びた雑居ビルの1階にそのゲーセンはあったが、高校生の男子やカップル、ギャル系の女子がたむろしてて雑多な賑わいを見せていた。
一人で中に入るのは、ためらいがあったが、拓人がいるかどうかの確認だけで、すぐに出てくる予定だったので、躊躇せず
中に入って行った。
当たりを見回してらしき人を捜したが、見当たらない。ホッとして帰ろうとしたとき、死角になってるコインゲームのコーナーの反対側を見てない事に気付き念のため覗いて帰ろうと思った。
−あっ！！−
拓人が居た。
コインゲームで遊んでいた。しかも制服を着ていた。
（なんで！？なんで今日学校サボってここにいるの…？）
美優は多少の憤りを感じていた。
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