‐ドラゴン‐第十八話「 意味 」

有朱  2006-07-17投稿
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(キャット・・・。)
屋上のガーデンはまるで花畑のようで、一面が芝生でキャットは芝生に寝転びんでいた。
「・・何の用だ。」
キャットは体制を変えず、目も閉じたまま話しかけてきた。シンは黙って近より、キャットと少し距離を置き、隣に座った。
「・・・お前は悲しいか??」
「何がだ??」
「リュウが死んで悲しいのか??」
「なぜそんな事を聞く??」
「質問に質問で返すなょ!!」
「俺はただ疑問に思っただけだ。」
「・・・お前の態度を見てたら悲しくなさそうで、すっげぇ腹立ったけど・・でも実際お前が悲しんでるのか、悲しんでないのか俺には分からねぇから。」
「・・・・・・俺とリュウは長い付き合いだったから、悲しい事は悲しい。だが、俺には悲しむ権利などない。」
「権利などいらないだろっ!!??」
「アイツが殺されたのは俺のせいだ。」
「!!!???・・どうゆう意味だよ??」
「アイツが殺され奪われた資料は、俺がリュウに頼んだ調べ物だ。そして、敵がそれを奪ったと言う事は、リュウがそれを調べたから殺された。」
「・・だからキャットのせいだって言うのかよ!!??」
「そうだ。」
「そんなのおかしいだろ!!??悪いのはお前じゃなくリュウを殺した奴だろ!!??」
「そうだ。だが、俺のせいだ。」
「・・・。」
シンはその場に寝転がった。
「まだ用があるのか??」
「・・・お前さぁ、たまに「自分なんかが生まれてこなければよかったんだ。」って考えるだろ??」
「・・・考える時もあるな。なぜだ??」
「俺もそうだったんだ。」
「お前が!?」
「・・・「呪われし子とまで言うなら殺してくれればよかったのに」から、「俺なんか生まなきゃよかったんだ」に変わって、「俺なんか生きてても何の約にもたたないし、逆に呪われる。俺さえ生まなきゃよかったんだ」って思うようになった。」・・・でも、ミケルと暮らしている間、ミケルも他のドラゴン達も俺を一人の人として見てくれた。こっちに来てからも皆普通に接してくれた。だから俺思ったんだ「この世には、皆に生まれて来た意味があり、生まれちゃいけない者なんて一つもないんだ」って。だからお前が生まれたのにもかならず意味があるんだよ。今は分からなくても、いつかきっと見つけられる。」

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