びっくりした。
少しボヤけた目を擦り、また見直してみた。
やっぱり彼女だったんだ。
「おはようございます。先日は本当にゴメンなさい。」と彼女は言った。
それと同時に包装された箱を僕に差し出した。
「この間お借りしたハンカチ、汚れてしまったのでもし良かったらこれを使って下さい!」
始めは少し断わったけど、かたくなに我を張っても変だったし、ホントは嬉しかったから行為に甘えることにした。
それからしばらく彼女の体の具合や、僕の具合が大丈夫なのかなどの話をしていた。
時間はアッと言う間に過ぎる。僕達の駅に着いた。
改札口は同じだったが、その先は別方向だった。僕はこのチャンスを逃したくなかった。
「もし良かったら、今度食事でもどうですか?」
少し勇気が必要だったけど、聞いてしまった。
断わられたら仕方ないけど…。
でも、彼女の口からは
「いいですよ!誘って下さいね。」と言う返事だった。
そして、「じゃぁまた!」と言って別れた。
少しだけ歩いて、僕は振り返って彼女を追い掛けた。
図々しいかも知れないけど、また…なんて言っても今度も話が出来るとは限らないから…。
「ちょっと待って!」
僕は彼女を引き留め、僕の携帯の番号とアドレスを紙に書いて渡し、
「良かったら連絡して下さい!」と言った。
彼女はニコッ(^ー^)と微笑んで、
「はい!」って。
仕事に遅れそうだったから、あとは急いで会社に向かった。
ただ、大事な事を忘れていた。重大な事。
馬鹿だ!!
…お互い 名前を聞いてなかった。
でも、その日の夕方!
彼女からメールが来た。