真実 12

彰子  2009-06-08投稿
閲覧数[330] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 淳は亜子と一緒になりたかった。どう考えても、自分自身をちゃんと理解してくれる亜子を愛しく思った。亜子と別れる事など考えられない。が、亜子と一緒になるには、今の生活をちゃんと精算しないと応じてはくれない。淳はその間で悩んだ。でも気持ちは変わらない。
 今は亜子に嘘をつくしかない、その間に懸命に何とかすれば…亜子と一緒になれる方法を考え出す機会が必ずあるはずだ。と、亜子に嘘をつくのは気がひけたが、自分の亜子への真っ直ぐな気持ちは、どうにもならなかった。
 「しばらく連絡取らなくてゴメン。精算しようと色々大変だったんだ。まだ色々決めていかないといけないけど、離婚に向けて結論が出たから。」と、淳は亜子に優しく言った。
 「まぁ離婚は結婚するより大変だからね…、淳が私と生きていく事をちゃんと結論出してくれた以上、私もしっかり自覚して、淳を見つめて生きていくよ。」 と、亜子も真剣に淳へ気持ちを話した。
 2人が求め合うようになるのも、時間はいらなかった。
 淳は亜子を見つめ、亜子は淳を見つめ、2人は唇をそっと合わせた。腹の底から突き上げる様な感情を抱きつつ、2人はお互いの存在を確かめ合うかの様に優しく、激しく唇を合わせた。
 キスだけで、こんなにも気持ちが落ち着き、こんなにも満足するものだろうか。それは、きっとお互いにお互いの心を与え合う人に巡りあった2人にしか、解らないものだろう。
 淳と亜子も同じ気持ちを抱きながら、幾度となく唇を合わせ今までの人生に無かったものをお互いに埋めあった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 彰子 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
コルセット並の着圧!
モノ足りない筈なし


▲ページトップ