涙があふれでた…
ふいても、ふいても
大粒の涙があふれてくる。学校の桜の木の前にきた。桜は散り若葉が生えてきていた。
私の初恋は終わった…
「さよなら…慧…。さよなら私の初恋…」
桜の木に語りかけ笑顔で振り返った。
家に帰り手紙を書いた。
未来の自分宛に…
"未来の茜へ
お元気ですか?
私は今からこの日の思い出を書きます。思い出してください。
只今倉木茜は、正式に初恋の慧に振られました。
私の涙と気持ちを桜の木に封じ込めます。
たくさんの思い出をしまい、新しい自分になるために…
中学2年の茜より"
手紙を持って桜の木の下に埋めた…
優しく風が吹いた…
まるで風が励ましてくれるようだった…
新学期
私は中学3年になった!
クラス替え
早速自分の名前を探した
…あった!
3組だ!
雪香と萌は…
「うゎ〜離れた〜」
見事に3つに別れた…
雪香は1組
萌は2組…
慧は1組だった
萌とも離れたみたいだ。
あの後も萌と慧は順調だった。
新クラス
仲のいい子は少ない…
不安で一杯だ…
隣の席は…
"小堀裕太"
マジメそうな子だった
小堀くんが突然…
手紙を投げてきた…
おそるおそる開いた…
"ケータイ持ってる?
持ってたらアド教えて!"
驚いた
何も知らない子に
アドレスを聞かれたのは初めてだった。
とりあえず
教えることにし
手紙を書き渡した…
小堀くんは
笑って"ありがと"と口を動かした。